娘は小2の終わりから学校に行かなくなり、5年生の今は完全な不登校です。
最近、娘の担任の先生から「最近、別室登校を始めた子がいるんですよ」と聞きました。
先生はたまに我が家を訪ねてきてくれて、娘にとっても無理のない形で学校とつながれるように、いろいろ気をかけてくれています。
そんなある朝、娘がぽつりと

その子どんな子か気になるから、行ってもいいよ
と言いました。



ほんとに?じゃ、行ってみる?
ということで、久しぶりに学校に行ってみることにしました。
家から学校まではそう遠くありません。
途中、娘は無言で歩きます。
私もただ静かに並んで歩きました。
学校に着くと、いつもの重たい校門を開けて中に入ります。
校庭には低学年のクラスが座って何かしています。
どうやら暑さを避けて、木陰で何かをしている様子。
その横を、私たちは静かに通り過ぎました。
そして、昇降口に入ったところで、娘の足がぴたりと止まりました。
このとき、空気が変わった感じがありました。
顔を見ても何も言いません。
娘は道中、ずっと無言で歩いていましたが、色々と考えていたのかもしれません。
私は少し迷って、「帰ろうか?」と言うべきかとも思いました。
でもそのとき口から出たのは、



せっかくだし、部屋まで行ってみよう!
という言葉でした。
娘は小さくうなずいたような、うなずかなかったような曖昧なまま、私はそのまま手をとって、別室教室のある別棟へ向かいました。
教室に着くと、先生が迎えてくれました。
けれど、娘が気にしていた「その子」は来ていませんでした。
たまたまその日はお休みだったとのこと。
先生が娘の好きな話題を出そうとしてくれても、うまく話が続かず、だんだんと娘の機嫌は悪くなっていき…
ついに、涙がこぼれました。
帰り道でずっと考えました。また無理に連れて行ってしまったのかもしれないなと。
娘が「行ってもいい」と言うので、私が「それなら」と連れて行って、でも結局、娘は泣いて帰ってきました。
この一連の出来事に、正解があったのかどうかは、正直わかりません。
無理をさせてしまったのかもしれないし、本人なりに精一杯がんばったのかもしれない。単に「やっぱり無理だった」という苦い記憶かもしれません。
不登校の道は、本人にも、親にも、「わからないこと」だらけです。
今日はたまたまうまくいかなかったかもしれないけど、娘がまた「行ってもいい」と思える日が来たとき、私はまた、そっと横に立っていたいと思います。