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「似てるって言わないで」HSC気質の娘の個性

うちの娘には、HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)気質があります。簡単に言うと、「とても敏感な子」です。

音、光、人の気持ち、周りの空気──いろんなことにすごく反応します。小さいころから「なんでそんなこと気になるの?」と不思議に思うことがよくありました。

娘が不登校になってからいろいろと調べていく中でこの「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)」や「HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)」という言葉に出会いました。調べれば調べるほど、「ああ、これ娘のことじゃん」と、点と点が線でつながっていくような感覚がありました。(HSPとHSCは、大人か子供かの違いです:Pはパーソン、Cはチャイルド)

そして、これは生まれ持った気質であるということも知りました。HSPの人は、脳機能として扁桃体の活動が生まれつき活発なのだそう。目の色や肌の色を変えられないように、本人が努力して変えられるものではありません。

目次

「気にしすぎだよ」は逆効果

それまでは、そんな娘を見て「そんなの気にしすぎだよ」「もっと気楽に考えなよ」と言ってしまっていました。でもそのようなアドバイスは、逆効果になる場合があると、あとになって気づかされました。

本人が真剣に感じていることに対して「気にしすぎだよ」という言葉は一見すると優しさや励ましですが、本人にとっては「こんなふうに感じる自分はおかしいんだ」、「私は間違っているんだ」とも感じられてしまう言葉でもあります。自分を責めるきっかけともなってしまい、結果的に自己肯定感が下がってしまうこともあります。

娘のHSC気質色々

ここからうちの娘の日常で感じる「HSC気質」のエピソードをいくつか紹介してみます。あくまで一人の子の話ですが、どこか共通するものを感じてもらえるかもしれません。

注射を極端に怖がる

娘は注射の話を聞いただけで怖くなります。「ちょっとチクっとするだけだよ」と言っても、本人にとってはその「ちょっと」がものすごく怖い。針が刺さる想像だけで限界になるようです。

実はまだ必要な予防接種が残っているので、どうなるか…悩んでいます。無理やりはしたくないけど、放って置くわけにもいかず。

爪を切ったあとの違和感がつらい

爪を切ると、「うわー、変な感じする」と言ってずっと指先を気にしています。場合によっては、イライラして落ち着かない様子になることもあります。

私としては「確かに違和感はわかるけど、そんなに?」と思ってしまうのですが、本人にとっては大きなストレス。こういう“ちょっとした違和感”にもすごく敏感なんだなと感じます。

戦争のニュースが怖すぎる

テレビやネットで戦争関連の話題が出ると、真剣に不安になります。「日本も戦争になるの?」「逃げなきゃいけなくなるの?」と聞いてきて、涙ぐんだことも、眠れなくなってしまったこともありました。

なのでニュースの内容も気を気張るようにしています。

「〇〇に似てるね」がつらい

娘がすごく嫌がるのが、「〇〇ちゃんって、○○に似てるよねー」と言われること。芸能人でも友達でも、有名なキャラでも、「似てる」と言わると、「そういうこと言うのやめて」と不機嫌になります。理由を聞いても「なんかわかんないけどイヤ」としか言えません。

「○○に似てるねー」というのは雑談としてよくある話題だと思います。たとえば注射を嫌がるのはよくわかるのですが、「〇〇に似ている」と言われるのを極端に嫌がる娘のことがずっと不思議でした。ですが、HSCのことを知り、これもHSCの子の特徴とつながっているのかなと感じるようになりました。

人と比較されることが苦手であったり、また「似てる」と言われることは「あなたはあなたじゃなくて、誰かに似ている存在」みたいに受け取れてしまうのかもしれません。「私は私」として見てほしいという気持ちがあるのだと思います。

本棚の並び方が気になる

本棚の本の並びがちょっとでもズレてると、すぐ気づきます。

背表紙の高さが合ってないとか、シリーズが順番どおりじゃないとか、そういうのがすごく気になるみたいです。僕が何気なく本を戻すと、「違う、そこじゃない!」とすごく真剣な顔で言われます。本人にとっては、「見た目がそろっていること」「順番が正しいこと」が大事なんだそうです。

自宅だけにとどまらず、学校の図書室の本棚の並び方まで気になってしまい、ついに司書の先生に「このシリーズ、こっちの棚にそろえたほうが見やすいと思います」と提案するまでに(笑)

司書の先生がとても優しい方で、「ありがとう、そうだね〜」と受け止めてくださり、後日実際に娘の提案どおりに並び替えてくれたとのこと。

HSCの子って、感覚のズレや違和感にすごく敏感だから、こういう「整っていること」に安心感を覚えるのかもしれません。

一見こだわりが強いように見えるけど、それは自分の世界を落ち着かせるための工夫なんだなと、最近は思えるようになりました。

褒められるとすごく喜ぶ

でも、ネガティブな反応だけじゃありません。娘は褒められると本当にうれしそうな顔をします。

たとえば絵を描いたときや、ちょっとした気配りができたときに「すごいね」「よく気づいたね」と声をかけると、照れながらもすごくうれしそうで、心にちゃんと届いているのがわかります。

HSCの子は、ちょっとした刺激にも敏感な分、ポジティブな言葉にも深く反応するんですよね。おだてではなく、ちゃんと見てくれている、ということが伝わると、それが自己肯定感の栄養になるのだと思います。

敏感さは「才能」

正直なところ、「もうちょっと気にしないでくれたら楽なのに…」と思うこともあります。

実際、昔は「気にしすぎだよ」「もっと気楽に考えなよ」と、つい言ってしまっていました。でもそれは、本人の感じ方を否定してしまっていたのだ、と気づきました。

今は、「なんでそんなこと気にするの?」と思う前に、「そう感じたんだね」とまず受け止めることを大切にしています。

そして思うのは、この敏感さは短所ではなく、長所にもなりうるということ。人の気持ちにすぐ気づけたり、さりげなく気遣いができたり。

これは、この子にしかない「強さ」なのかもしれません。

HSCについて参考になった本

HSCという言葉を知ってから、「もっとこの子のことを理解したい」と思って、いくつか本を読んでみました。その中でも、一番参考になったのがこちらの本です。

この本の中ではHSPの人のことを「繊細さん」と呼んでいます。著者自身も「繊細さん」だそうで、そういう人たちが元気に生きるためのコツがまとめられています。読むことで繊細さん自身も楽になるし、またそういう人がいるということを非・繊細さんが知ることも大切だと思います。

他にも「一生幸せなHSCの育て方 ー「気が付き過ぎる」子どもの日常・学校生活の「悩み」と「伸ばし方」を理解する」も参考になりました。

また、『ひといちばい敏感な子』エレイン・N・アーロン(著)はHSCという概念を広めた心理学者による本。学術的な内容もありつつ、子どもの感覚を丁寧に説明してくれる一冊です。

著:エレイン・N・アーロン, 翻訳:明橋 大二
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おわりに

HSCの気質を知ってから、娘への見方が少しずつ変わってきました。

今も正解がわからない日ばかりだけど、「この子はこの子のままでいい」と思えるようになったことが、僕にとっては大きな一歩です。

敏感さは短所じゃない!

それはこの子らしさであり、これからの人生で誰かを救う力になると、僕は信じています。

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この記事を書いた人

博士号を持つ元理系研究者で、現在は会社員。研究者時代にC++などのプログラミングを少しかじっていたこともあり、娘と一緒にプログラミングを学ぶことにしました。また、マネーリテラシーを高めるために、お金や株、投資について日々勉強中。学校では教えてもらえない大切なことがたくさんあると気がつき、「生き抜くスキル」を娘と一緒に身につけていきたいと思っています。

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