ブログを書いたり、子どもと一緒に作品を作ったりすると、「この画像って使っていいの?」と悩むことがありますよね。そんなときに知っておくと便利なのが 「クリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンス」 です!今回は、親子で学べるように、著作権やCCライセンスについて調べたことをまとめてみました。
著作権の取り扱い方の種類
まずは著作権について。著作権は基本的に「創作した時点で自動的に発生」します。ですが、その作品の取り扱い方(どのように使えるか)にはいくつかの種類があります。
- All Rights Reserved(すべての権利保有)
- 著作権者がすべての権利を保持し、無断での使用や改変を禁止します。
- 例:商業書籍、映画、音楽、商用イラストなど。
- Creative Commons(CCライセンス)
- 著作権を保持しつつ、一定の条件で自由に利用を許可する仕組み。
- 例:Wikipediaの記事、FlickrのCCライセンス画像。
- Public Domain(パブリックドメイン)
- 著作権が消滅(保護期間終了)したか、著作権者が意図的に放棄した作品。
- 例:シェイクスピアの作品、著作権切れのクラシック音楽、日本では著者の死後70年でパブリックドメイン化。
- Fair Use(フェアユース)/ 引用
- 批評・報道・教育目的など、特定の条件下で許可なく利用できる場合がある。
- 例:ニュース番組での短い引用、教育機関での使用(日本では「引用」のルールに従う必要あり)。
このように、著作権の取り扱い方には様々な種類がありますが、CCライセンスは「All Rights Reserved」と「パブリックドメイン」の間に位置していて、「自由に使っていいけど、一定のルールは守ってほしい」という立場にある制度です。
なお、「著作権フリー」という言葉も見かけます。多くの場合は、フリー素材などのように自由に使っていいという意味合いで使われますが、これは同じ言葉を使っていてもサイトやクリエイターごとにルールはケースバイケースです(商用利用がOKだったりNGだったり)
これに対し、CCライセンスは世界で統一されたルールです。
クリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンスって何?
横文字で難しそうですが、実はシンプルな仕組みです。CCライセンスとは、作者が著作権を持ちながらも、「こういう条件なら自由に使っていいよ!」と許可を出す仕組み です。
普通、ネット上の画像や文章は 著作権で守られていて、勝手に使うのはNGです。たとえ無料でダウンロードできたとしてもそれを勝手に使っていいわけではありません。
しかし、CCライセンスがついた作品なら、ルールを守れば自由に使えます。そのルールを整理したものが CCライセンス です。
CCライセンス6種類
CCライセンスは、BY(表示)、NC(非営利)、ND(改変禁止)、SA(継承)の要素の組み合わせによって、6種類のライセンスに分かれています。
ライセンス | できること | 使用例 |
CC BY | 作者の名前を出せば、なにをしてもOK | 一番自由なライセンス |
CC BY NC | 作者の名前を出せば、なにをしてもOK。ただし、商用利用NG | 教育用・趣味ブログ向け |
CC BY-SA | 作者の名前を出せば、なにをしてもOK。ただし、改変したらCC BY-SAで出して | Wikipediaのルール |
CC BY-NC-SA | 作者の名前を出せば、なにをしてもOK。ただし、商用利用NGで、改変したらCC BY-NC-SAで出して | |
CC BY-ND | 作者の名前を出せば、なにをしてもOK。ただし、改変NG | 写真など、改変せずに、そのまま使う時 |
CC BY-NC-ND | 作者の名前を出せば、なにをしてもOK。ただし、商用利用と改変NG |
各要素の意味
- BY(表示) → クレジット表記が必要(すべてのCCライセンスに適用)。
- NC(非営利) → 非営利目的でのみ使用可能(商用利用NG)。
- ND(改変禁止) → 元の作品を変更せず、そのまま利用することのみ許可。
- SA(継承) → 改変した場合、同じCCライセンスで公開する必要あり。
ライセンスの強さ
下の図がとてもわかりやすいです。この左から右へ進むにつれて、利用の自由度が高まる ことを表しています。一番左端がAll Rights Reservedで最も制限が厳しい形態、右端がパブリックドメインでもっとも自由度が高い形態です。その間を6つに分けているのがCCライセンスです。

(出典:Creative Commons Japan – http://creativecommons.jp/_site/shared/img/CC-Flyer.png, CC BY 2.1 jp, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=6081659による)
著作権表記がない場合はAll Rights Reserved
基本的には、著作権表記がない場合は「All Rights Reserved(すべての権利を保有)」 と考えるべきです。つまり無断での使用は認められません。著作権は、作品を作った時点で自動的に発生 するので、表記がなくても保護されています。つまり、「著作権表記がない=自由に使える」ではない ので注意が必要です!
CCライセンスの例
CCライセンスが適用されているもの
- Wikipedia(記事や画像の多くがCCライセンスです)
- 一部のYouTube動画(投稿者がCCライセンスを選択可能)
- オープンアクセス論文
CCライセンスがついていないもの
- いらすとや(無料で利用できますが、独自の利用規約がある)
- Canva (Canva独自のライセンス規約に基づいて使用する必要があります)
- 商用の写真サイト(Adobe Stockなど)(購入しないと使用できない)
- アニメや映画のキャプチャ画像(無断使用はNG)
どうすればCCライセンスをつけられる?
例えば、自分のイラストや写真をCCライセンスで公開したい場合は、まず6種類のうちのどのライセンスにするか選んで、「CC BY 4.0 © 2025 [名前]」などのように記載するだけ でOKです。CCライセンスのアイコン も一緒に掲載すると分かりやすいです。公式サイトからダウンロードできます。
CCライセンスのメリット
CCライセンスが便利なのは、それが世界共通のルール だからです。
6種類のライセンスがありますがそれぞれは「自由に使っていい範囲が異なるだけ」 です。なので、CCライセンスがついていれば細かい利用規約をいちいちチェックする必要がありません。
例えば普通の画像サイトでは、「商用利用はいいか」、「クレジット表記は必要か」、「加工してもいいか」、など、利用規約をしっかり読む必要があります。でも CCライセンスならそれが一目で分かる ので楽なのです!
まとめ
CC BYのマークを見たことはあったのですが、実はよくわかっていませんでした。でも調べてみたら、全く難しいことはなく、意外とシンプルな仕組みで、とても便利であることがわかりました!
著作権やCCライセンスを含めた著作物の取り扱いを理解することで、安心して創作や情報発信ができるようになります。ブログや動画作りで「これ、使っていいの?」と悩む時間が減るのでとても便利です。親子で著作権やライセンスの仕組みを学び、インターネットをより自由に、安心して活用していきたいです!