最近、娘が「掛け算がうまく覚えられない」と言い出した。九九の暗記がどうしても難しく、特に「リズムで覚える」という方法がしっくりこないらしい。学校の先生には「歌やリズムで覚えれば簡単だよ」と言われるものの、それでも頭に入らないという。
しかし、娘は言葉やストーリーを記憶するのは得意だ。アニメや漫画のセリフは驚くほど覚えているし、一度聞いた話の細かい部分までしっかり覚えていることもある。「なんで九九は覚えられないのに、アニメのセリフは覚えられるの?」と娘自身も不思議そうにしていた。
記憶の仕組み
調べてみると、どうやら記憶のしくみにはいくつかの種類があるらしい。九九のような数字の暗記は「意味のない情報の記憶」に近く、一方でアニメのセリフやストーリーは「意味を持つ情報の記憶」として処理されることが多い。つまり、娘にとって九九は「意味のない数字の羅列」であり、だからこそ覚えにくいのではないか。
ならば、九九にも「意味」を持たせればいいのでは? と思い、掛け算をイラストや視覚的なイメージと結びつけることにした。
例えば「3×4=12」なら、
3匹のうさぎが4本ずつニンジンを持っている絵を描き、それが12本になる。
という具合に、数字を視覚的なイメージに変換してみる。娘はお絵描きが好きなので、自分でイラストを描きながら覚えることで、より頭に入りやすくなった。特に「6×7=42」を「6つの風船がそれぞれ7色のリボンを持っている絵を描く」ようにすると、意外とすんなり覚えられる。
また、普段の生活でも九九を意識するようにした。お菓子の数を数えたり、買い物の時に「2つでいくら?」と計算したり、実際の経験と結びつけることで、より定着しやすくなった。
リズムで覚えるのが得意な子もいれば、意味を持たせないと覚えられない子もいる。娘の場合は後者だったけど、それがわかったおかげで新しい学び方を見つけることができた。
娘に合った学び方探し
不登校になってから、こういう「娘に合った学び方を探す」機会が増えた気がする。学校のやり方が合わなくても、それは「できない」わけじゃなくて、単に「合わないだけ」。じゃあ、どうやったら学べるのかを一緒に考えられるのは、ある意味で貴重な時間なのかもしれない。
娘と一緒に、これからも「自分に合った学び方」を探していきたい。